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日時

2010年8月2日(月)~2010年8月6日(金)

場所

京都大学基礎物理学研究所 パナソニックホール

研究会要旨

高分子のトポロジーに関する研究が最近様々な分野の研究者によって盛んに行われている。 例えば環状高分子はひも状の高分子鎖の両端が閉じて輪形になったものであり、 そのトポロジーは結び目で表わされる。通常の線形高分子とはトポロジーだけが異なるが、 そのために慣性半径や拡散定数など基本的な物性が異なり、 さらには粘弾性など動的な振る舞いも異なることが、最近次第に明らかになってきた。 環状高分子の合成は従来非常に困難であったが、最近、分子量が大きく純度の高い試料がつくられた。 これらの試料を用いた実験から、トポロジー的膨潤など重要なトポロジー効果の理論的予想が、 実験的に検証される可能性が高い。 また、DNAやタンパク質などの生体高分子では、20年前から結び目高分子が導かれ、 研究されている。DNAでは複製メカニズムの根幹の解明に関係し、多くの研究結果が蓄積されており、 タンパク質では例えば折れたたみ経路を探索するのに結び目の構造が応用されている。
世話人

出口 哲生 (お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科)
Andrzej Stasiak (ローザンヌ大学 生物学・薬学部)
早川 尚男 (京都大学基礎物理学研究所)
下川 航也 (埼玉大学大学院理工学研究科)
津留崎 恭一 (神奈川県産業技術センター)